2011年03月08日
DO MORE, WITH LESS
ドイツの張弦構造の大家、Jorg Schlaich(ヨルグ・シュライヒ)は北京五輪の鳥の巣(ヘルツォーク・ドムーロン)を見て言ったらしい。
「ばかばかしい」と。

鳥の巣を実現するために配置されたのは”巣”よろしくコンクリートコラムのマッシブなプロポーションとなった。一本一本のコラムはそれぞれ別の荷重に抵抗していて力学的に統合されたものは何一つない。複雑そうに見えるが玄関の小庇と同じレベルなのだ。
大空間を構成するのに重力に抵抗する要素として「曲げ抵抗」を採用している事は必然的に過大な断面性能と増大する自重とのいたちごっこをを伴う。美的な感覚からもずれてくる。
自然はそんな不完全で不合理で不経済なシステムを選ぶはずがない。

・・・ READ MORE !
「ばかばかしい」と。

鳥の巣を実現するために配置されたのは”巣”よろしくコンクリートコラムのマッシブなプロポーションとなった。一本一本のコラムはそれぞれ別の荷重に抵抗していて力学的に統合されたものは何一つない。複雑そうに見えるが玄関の小庇と同じレベルなのだ。
大空間を構成するのに重力に抵抗する要素として「曲げ抵抗」を採用している事は必然的に過大な断面性能と増大する自重とのいたちごっこをを伴う。美的な感覚からもずれてくる。
自然はそんな不完全で不合理で不経済なシステムを選ぶはずがない。
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2011年03月02日
シナジー効果
気が向いたときに書こうとおもっていたブログに仕事と身の回りの出来事に忙しくなかなか気が向かず書かずにいたら1月もたってしまった。こんにちはfuuです。
思えばまともにブログを始めたのはほぼ1年前。。
その頃の記事なんてほんと青臭くて恥ずかしいけど、今でも読むとあー、こんな事考えてたんだーなんて分かって便利だぬ。日記なんだ所詮。
似たようなものはmixiとかでも書いてたけど、完全にオープンものは初めてなので最初は出来るかなーでしたが、そんな公開日記から生まれた繋がりもまた僕にとっては大切な宝物です。

僕はと言えばTwitterでお世話になっている方々にとっては 知ってるよ!
と言われるでしょうが。すこぶる元気です(笑)
----------------
仕事柄、毎日力の流れを考えていたらふとジオデシックってなに?とかって考えちまって止まらなくなってどうやらジオデシックの前にテンセグリティだ!なんて理論よりやってみないとってところで模型で遊んだり。簡単に出来るので皆様もどうぞ。「テンセグリティ 作り方」でググるといろんなパターンで沢山出てきます。


木の棒が互いに接触せず浮いたように見えて楽しい。キャンプで子供相手のワークショップでもやるか(爆)
この木棒の頂点を結ぶとジオデシックな多面体が出来る。炭素原子レベルでも同じ構造らしい。炭素って生命体を構成する元素の60%を閉めているらしく、地球上の生命体はなぜ炭素を選んだのか?とかとかその辺からフィロソフィな世界に入っていくととても難解。なにか向こう側で呼んでいるような気がするけどまだ踏み込めないでいる(笑)
「宇宙船地球号」っていうフラーの言葉が急に説得力を持った瞬間でした。
思えばまともにブログを始めたのはほぼ1年前。。
その頃の記事なんてほんと青臭くて恥ずかしいけど、今でも読むとあー、こんな事考えてたんだーなんて分かって便利だぬ。日記なんだ所詮。
似たようなものはmixiとかでも書いてたけど、完全にオープンものは初めてなので最初は出来るかなーでしたが、そんな公開日記から生まれた繋がりもまた僕にとっては大切な宝物です。
僕はと言えばTwitterでお世話になっている方々にとっては 知ってるよ!
と言われるでしょうが。すこぶる元気です(笑)
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仕事柄、毎日力の流れを考えていたらふとジオデシックってなに?とかって考えちまって止まらなくなってどうやらジオデシックの前にテンセグリティだ!なんて理論よりやってみないとってところで模型で遊んだり。簡単に出来るので皆様もどうぞ。「テンセグリティ 作り方」でググるといろんなパターンで沢山出てきます。
木の棒が互いに接触せず浮いたように見えて楽しい。キャンプで子供相手のワークショップでもやるか(爆)
この木棒の頂点を結ぶとジオデシックな多面体が出来る。炭素原子レベルでも同じ構造らしい。炭素って生命体を構成する元素の60%を閉めているらしく、地球上の生命体はなぜ炭素を選んだのか?とかとかその辺からフィロソフィな世界に入っていくととても難解。なにか向こう側で呼んでいるような気がするけどまだ踏み込めないでいる(笑)
「宇宙船地球号」っていうフラーの言葉が急に説得力を持った瞬間でした。
2010年05月16日
参天はなぜ風に強いか
今月のBE-PALはなんだか面白かった。

シーズンインに似合う「一生モノの絆」というシンボリックな文章から始まり
いろんなキャンプスタイル別のギア考(というより紹介)温故知新な道具類も多数登場。
僕としては巻頭の「ダムカレー」にも心奪われる(笑)
そんな派手なグラビア頁も過ぎ、パラパラパラとコラムなどを読み進む中、希代の建築家であり
数学者、哲学者でもあったフラー博士の紹介が!

20世紀のダヴィンチ!
大学の建築学科に入りたて「図学」という単位があって
その講師がフラーを熱く語っていたのを思い出す。
「フラードーム(ジオデシックドーム)」を鉛筆と定規とコンパスでパースペクティブに描くという授業もやったように・・・ええ、すっかり忘却の彼方(笑)
その先生はMCエッシャーにも造詣が深く、授業であのダマシ絵を考えてくる課題がでて四苦八苦した覚えがある。rotringやSTEADTLER、(SWAN)STABILOなどの製図「ギア」に初めて触れたのもその授業だった。今はコンピューターによるCADが主流なので残念ながらあまり使うことは無い。
なんだか大学で最も面白い授業の一つだったというのは今でも記憶にあることが証明している。
そんな17歳の春を(とぉい目・・)
そのフラーがBE-PALに!アウトドアズマン列伝で!

欄外の注釈含め懐かしい思いで読み込んだ。絵面と展開はうぅぅぅむ・・・・(笑)
空間の3点があれば「平面」が決まる。
三角形のトラス(Truss)モジュールはそれぞれが相互に軸力伝達をし合い(シナジー効果)閉じた空間を創造する。そう、3角さえあれば「頑張れる」。

ジオデシック・ドーム(1967年モントリオール万博アメリカ館)
そして一片でもモジュールが欠けるとたちまちにして成り立たない。
シンプルなシステム故の危うさ。軸力の行き場を失うのだ。
小さな3角形もフラードームも違いは単体か集合かくらいで同じ。
参天(1ポールテント)がなぜ風に強いといわれるか。
フラードームにも無数にあるその3角形にある。
2点あげてみた。
1.その形状自体が比較的安定している。
2.どの方位からも常に同じ抵抗機構を持つ。
1.に関しては、横からたとえば風を等分布に受けた時、見た目の受風面の形状は▲なわけで
その荷重心は三角形の図心 高さhの1/3である。

次に、たとえば極端に四角形の幕体があったとして(パビの長手のようにw)
同じ高さであれば荷重心は当然h/2。
さらに長方形の面積は底辺が同じなら参天の倍。
この荷重心高さ×面積がいわゆるその幕体への負荷(エネルギー)。であるので
その受けるエネルギーを比べてみると
E(参天)=面積×荷重心高さ=a×h/2 × h/3=a×(h^2)/6
E(パビw)=面積×荷重心高さ=a×h × h/2=a×(h^2)/2
つまり E(参天)/E(パビw)=1/3 と形状自体が「安定」を生んでいることが分かる。
これはドーム型であっても面積と荷重心は同じ底辺と高さであれば参天にはかなわない。
2.つまり1ポール、円錐形(多角錐)ゆえ、どの方位からの荷重に対しても同じ抵抗(三角)が成立することである。


常に幕は引張だし、ポールは圧縮に頑張る。これはかえせば「弱点」が無いということ。どこかに弱い個所があれば集中するし、そこから破綻が生まれる。
つまりバランス良く、キレイに張る。が大事。
せっかく参天の安定感を、有意義にするためだ。
(僕の実践はこれからだがw)
そして弱点方位をなくす為、
できれば無数のペグダウンをw
しかし、机上で考えても安全性と美はやたら相関する。
下は僕が昔設計した某個人住宅の没案(笑)
鉄骨造2階建ての中地震時の挙動。正負1サイクル(変形はスケールアップしている。)
確かに柱と梁がたくさんあって、おそらく一つくらい梁が飛んでも倒壊には至らないが
バランスが悪く、一番奥の梁の材端周辺のみ赤く染まる(応力集中)。
ほかの材に余力があるのでもったいないし、何よりも、このフレーム自体が美しくない。
ほら、ここにも安全性と美の相関。悪い例(笑)
--------------
シーズンインに似合う「一生モノの絆」というシンボリックな文章から始まり
いろんなキャンプスタイル別のギア考(というより紹介)温故知新な道具類も多数登場。
僕としては巻頭の「ダムカレー」にも心奪われる(笑)
そんな派手なグラビア頁も過ぎ、パラパラパラとコラムなどを読み進む中、希代の建築家であり
数学者、哲学者でもあったフラー博士の紹介が!

20世紀のダヴィンチ!
大学の建築学科に入りたて「図学」という単位があって
その講師がフラーを熱く語っていたのを思い出す。
「フラードーム(ジオデシックドーム)」を鉛筆と定規とコンパスでパースペクティブに描くという授業もやったように・・・ええ、すっかり忘却の彼方(笑)
その先生はMCエッシャーにも造詣が深く、授業であのダマシ絵を考えてくる課題がでて四苦八苦した覚えがある。rotringやSTEADTLER、(SWAN)STABILOなどの製図「ギア」に初めて触れたのもその授業だった。今はコンピューターによるCADが主流なので残念ながらあまり使うことは無い。
なんだか大学で最も面白い授業の一つだったというのは今でも記憶にあることが証明している。
そんな17歳の春を(とぉい目・・)
そのフラーがBE-PALに!アウトドアズマン列伝で!
欄外の注釈含め懐かしい思いで読み込んだ。絵面と展開はうぅぅぅむ・・・・(笑)
空間の3点があれば「平面」が決まる。
三角形のトラス(Truss)モジュールはそれぞれが相互に軸力伝達をし合い(シナジー効果)閉じた空間を創造する。そう、3角さえあれば「頑張れる」。

ジオデシック・ドーム(1967年モントリオール万博アメリカ館)
そして一片でもモジュールが欠けるとたちまちにして成り立たない。
シンプルなシステム故の危うさ。軸力の行き場を失うのだ。
小さな3角形もフラードームも違いは単体か集合かくらいで同じ。
参天(1ポールテント)がなぜ風に強いといわれるか。
フラードームにも無数にあるその3角形にある。
2点あげてみた。
1.その形状自体が比較的安定している。
2.どの方位からも常に同じ抵抗機構を持つ。
1.に関しては、横からたとえば風を等分布に受けた時、見た目の受風面の形状は▲なわけで
その荷重心は三角形の図心 高さhの1/3である。

次に、たとえば極端に四角形の幕体があったとして(パビの長手のようにw)
同じ高さであれば荷重心は当然h/2。
さらに長方形の面積は底辺が同じなら参天の倍。
この荷重心高さ×面積がいわゆるその幕体への負荷(エネルギー)。であるので
その受けるエネルギーを比べてみると
E(参天)=面積×荷重心高さ=a×h/2 × h/3=a×(h^2)/6
E(パビw)=面積×荷重心高さ=a×h × h/2=a×(h^2)/2
つまり E(参天)/E(パビw)=1/3 と形状自体が「安定」を生んでいることが分かる。
これはドーム型であっても面積と荷重心は同じ底辺と高さであれば参天にはかなわない。
2.つまり1ポール、円錐形(多角錐)ゆえ、どの方位からの荷重に対しても同じ抵抗(三角)が成立することである。


常に幕は引張だし、ポールは圧縮に頑張る。これはかえせば「弱点」が無いということ。どこかに弱い個所があれば集中するし、そこから破綻が生まれる。
つまりバランス良く、キレイに張る。が大事。
せっかく参天の安定感を、有意義にするためだ。
(僕の実践はこれからだがw)
そして弱点方位をなくす為、
できれば無数のペグダウンをw
しかし、机上で考えても安全性と美はやたら相関する。
下は僕が昔設計した某個人住宅の没案(笑)
鉄骨造2階建ての中地震時の挙動。正負1サイクル(変形はスケールアップしている。)
確かに柱と梁がたくさんあって、おそらく一つくらい梁が飛んでも倒壊には至らないが
バランスが悪く、一番奥の梁の材端周辺のみ赤く染まる(応力集中)。
ほかの材に余力があるのでもったいないし、何よりも、このフレーム自体が美しくない。
ほら、ここにも安全性と美の相関。悪い例(笑)
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2010年03月20日
挑戦と解決
「鬼片持ち(爆)」(崖から先端までの距離21m)床は強化ガラスで透明w。足下は1,200mの谷底。
Grand Canyon Skywalk(完成パース) (資料:Grand Canyon West)
この挑戦的な完成予想図を以前見たとき、その解決を自分なりに探り、まさか側面のガラス自体も構造体ではないかと疑ったものだ。学生向けのワークショップの題材にも良いかもしれない。
(ちなみに日本の建築基準法では構造耐力上主要な部分(床、耐力壁、柱、梁等)にはガラスは使えない。)技術屋としては心躍ると同時に「まあ、絵の通りには出来んな・・」と。材質云々より、形状から生まれる強度(断面係数)が余りにも発揮しずらい。先端のたわみや振動は押さえられようもないし、なによりこのU字の平面形状が強烈な捻れをもたらす。捻れに強い形状は丸や四角であるがこの薄い床ではそうとも見えない。
発想はこの地域の観光資源開発らしいが、この絵はこの雄大なグランドキャニオンに進入する人工物への嫌悪や、居住区となっているネイティブが感じるであろう、自然への冒涜など、一切排除し、いかにも、な銀行家、投資家を説得するには十分であっただろう。
だから、設計者は僕の知るところではないが、この絵を実現すべき解決を発見し
「なんとか、やっちゃえよ絵の通りに(爆)」と、大きく期待していた。
(もちろん安全に法令内で)
で、出来たのがこれ↓

(・ε・`*) ... エート
ボクが欲しかったのはコレジャナーイ!(笑)

完成パースにある薄い床は高さが2m以上の鋼製箱桁に。
岩盤側は大きな建物が建ち、おそらくそれは片持ち桁のカウンターウェイト。
なんとも安心感のあるものとなった。至極妥当な。
絵のようにビンビンにシビれるような形状の完成を期待していた僕はいささか残念ではあったが
貴重な資本が安々とエンジニアのチャレンジに付き合えるわけもなく、というところか。
本当の肝試しになっても商業ベースに乗らないだろうしいろんなリスクが高すぎる(笑)
では、 Let’s WALK! (笑)
いいなぁ、行ってみたいな~
コーユーの大好き~
高いとか落ちそうとかw
しかし、調べていると気になる文言が・・・
周辺は3億5000万年前にできた石灰岩で,浸食を受けやすい。
「岩盤の風化で,橋は15~20年しか持たないだろう」とみる人もいる
(資料:Grand Canyon West)
エ~ッと・・完成が2007年だから・・
((((;゚Д゚)))ガクブル
10年後・・恐怖のロシアンルーレットが始まるっ!
さあ
Grand Canyon へ! 急げ!!

Grand Canyon Skywalk(完成パース) (資料:Grand Canyon West)
この挑戦的な完成予想図を以前見たとき、その解決を自分なりに探り、まさか側面のガラス自体も構造体ではないかと疑ったものだ。学生向けのワークショップの題材にも良いかもしれない。
(ちなみに日本の建築基準法では構造耐力上主要な部分(床、耐力壁、柱、梁等)にはガラスは使えない。)技術屋としては心躍ると同時に「まあ、絵の通りには出来んな・・」と。材質云々より、形状から生まれる強度(断面係数)が余りにも発揮しずらい。先端のたわみや振動は押さえられようもないし、なによりこのU字の平面形状が強烈な捻れをもたらす。捻れに強い形状は丸や四角であるがこの薄い床ではそうとも見えない。
発想はこの地域の観光資源開発らしいが、この絵はこの雄大なグランドキャニオンに進入する人工物への嫌悪や、居住区となっているネイティブが感じるであろう、自然への冒涜など、一切排除し、いかにも、な銀行家、投資家を説得するには十分であっただろう。
だから、設計者は僕の知るところではないが、この絵を実現すべき解決を発見し
「なんとか、やっちゃえよ絵の通りに(爆)」と、大きく期待していた。
(もちろん安全に法令内で)
で、出来たのがこれ↓

(・ε・`*) ... エート
ボクが欲しかったのはコレジャナーイ!(笑)

完成パースにある薄い床は高さが2m以上の鋼製箱桁に。
岩盤側は大きな建物が建ち、おそらくそれは片持ち桁のカウンターウェイト。
なんとも安心感のあるものとなった。至極妥当な。
絵のようにビンビンにシビれるような形状の完成を期待していた僕はいささか残念ではあったが
貴重な資本が安々とエンジニアのチャレンジに付き合えるわけもなく、というところか。
本当の肝試しになっても商業ベースに乗らないだろうしいろんなリスクが高すぎる(笑)
では、 Let’s WALK! (笑)
いいなぁ、行ってみたいな~

コーユーの大好き~

しかし、調べていると気になる文言が・・・
周辺は3億5000万年前にできた石灰岩で,浸食を受けやすい。
「岩盤の風化で,橋は15~20年しか持たないだろう」とみる人もいる
(資料:Grand Canyon West)
エ~ッと・・完成が2007年だから・・
((((;゚Д゚)))ガクブル
10年後・・恐怖のロシアンルーレットが始まるっ!
さあ
Grand Canyon へ! 急げ!!